【完全版】オリジナル紙袋の素材・材質を徹底比較!コストとブランドイメージを両立させる失敗しない選び方
店舗や企業のオリジナル紙袋(ショッパー)は、単なる梱包材ではなく、「動く広告」としての重要な役割を担います。素材一つで、顧客が感じる高級感、耐久性、環境配慮といったブランドイメージは大きく左右されます。
しかし、紙袋の素材(コート紙、クラフト紙)、表面加工(PP加工)、そして持ち手(紐)の選び方は複雑です。コストを抑えたいが安っぽく見せたくない、重い商品を入れたいが丈夫な紙袋はどれか、といった疑問は尽きません。
本コラムは、オリジナル紙袋の制作を検討している担当者様向けに、素材の基礎知識からコスト管理、用途別のおすすめの選び方までを網羅的に解説する【完全版】です。この記事を読めば、貴社のブランド価値を最大限に高め、失敗のない最適な紙袋制作を実現できます。


紙袋の核となる「主要な紙素材」の種類と特徴
紙袋の素材は、大きく「コート紙」と「クラフト紙」の二つに分けられます。それぞれが持つ特性を理解することが、適切な選択の第一歩です。
高級感とデザイン性の代名詞:コート紙
特徴とメリット:なぜ高級ブランドに選ばれるのか?
・高い印刷適性: 表面の塗料によりインクの発色が極めて良く、写真やフルカラーの精細なデザイン再現性は随一です。
・高級感と光沢: 滑らかでツヤのある表面が、エレガントで洗練された印象を与えます。
・加工必須の理由: コート紙は、クラフト紙に比べて紙自体の強度が劣るため、耐久性を高めるためにPP加工(ラミネート加工)が必須となることが一般的です。
コート紙が最適な用途
アパレル(ハイブランド)、化粧品、ジュエリー、イベントのノベルティなど、高いデザイン性とブランドイメージが求められるオリジナルショッパーに最適です。
強靭さとナチュラルの象徴:クラフト紙
クラフト紙は、その繊維が長く非常に丈夫な(Kraft=力強い)紙です。漂白の有無で「未晒」と「晒」に分かれます。
未晒クラフト紙(みさらし・茶色クラフト紙)
・最大の特徴:強靭性とコストパフォーマンス
・耐久性:漂白をしていないため繊維が強く、紙素材の中で最も丈夫で破れにくいです。重い商品を入れる紙袋の素材としても優れています。
・コスト:工程が少ないため、最も安価に制作できる素材です。
・ブランドイメージ:ナチュラル、オーガニック、温かみ、エコを訴求したい店舗に最適。
・注意点:茶色いため、淡色や写真の印刷適性は低く、デザインは濃色の単色印刷に限定されます。
晒クラフト紙(さらし・白色クラフト紙)
・最大の特徴:清潔感と丈夫さの両立
・強度:未晒クラフト紙に次ぐ丈夫さを持ちます。
・印刷:白色なので、未晒クラフト紙よりも印刷色の再現性が向上します。
・ブランドイメージ: 清潔感、カジュアル、汎用性の高さ。和菓子店や病院、雑貨店など、幅広い業種で使われる紙袋の定番素材です。

質感と耐久性を高める「表面加工(PP加工)」の種類と選び方
表面加工は、紙袋の質感と耐久性を大きく向上させる重要な工程です。特にコート紙を使用する場合、PP加工は必須級の失敗しない選び方のポイントです。
紙袋制作の主流:PP加工(ラミネート加工)
グロスPP加工(光沢ラミネート)
・効果:表面に強い光沢を与え、印刷色をより鮮やかに見せます。
・印象:華やか、ゴージャス、ポップなイメージ。水濡れや汚れに強く、実用性も高いです。
マットPP加工(艶消しラミネート)
・効果:光沢を抑え、艶消し(マット)の質感を出します。
・印象:シック、上品、重厚なイメージ。落ち着いた高級感を演出でき、近年最も人気の高い加工です。
PP加工のメリット
・耐久性:紙袋の強度と耐水性を大幅に向上させ、オリジナル紙袋の寿命を延ばし、広告効果を長持ちさせます。
・デザイン保護:摩擦による色落ちや汚れを防ぎます。
低コストで質感を変える加工
・ニス加工: PP加工よりも安価に、光沢や保護効果を付与できます。クラフト紙の風合いを残しつつ、色落ちを防ぎたい場合に有効です。
・スポットUV加工: マットPP加工の紙袋に対し、ロゴや文字の部分だけをグロスに光らせることで、視覚的なアクセントと高級感を両立できます。

使い勝手と印象を決める「持ち手(ハンドル)」の種類と選び方
持ち手の材質と形状は、顧客が紙袋を持ったときの「感触」と「耐久性」に直結します。
高級・耐久性重視の持ち手
・アクリル平ひも・丸ひも: 最も丈夫で、コート紙の高級感を損ないません。平ひもは手に食い込みにくく、重いものにも適しています。
・サテン・グログランリボン: デザイン重視。高級化粧品やギフト用のショッパーに使用され、特別感を演出します。
コスト・実用性重視の持ち手
・PPひも(ポリプロピレン):安価で強度があり、水濡れに強い実用的な持ち手です。
・紙ひも(丸ひも・平ひも):最も安価でリサイクル性が高い持ち手。ナチュラルなクラフト紙と相性が良いです。
・手穴(抜き手):紐を使わず、紙袋本体に穴を開けるタイプ。最もコストを削減でき、大量配布用や資料袋に適しています。

プロが教える!失敗しないオリジナル紙袋の「最適解」の選び方
ここからは、実務的な観点から「失敗」を回避し、コストとブランドイメージを両立させる具体的な方法を解説します。
コストを徹底的に削減する5つの方法
オリジナル紙袋制作において、コストは最大の課題です。以下の要素を妥協することで、単価を大幅に下げることができます。
1.素材のグレードを下げる:コート紙 → 晒クラフト紙 → 未晒クラフト紙の順で安価です。
2.表面加工を省略/変更:PP加工 → ニス加工 → 加工なしの順で安価です。
3.印刷色数を減らす:フルカラー(CMYK 4色)→ 特色2色 → 特色1色の順で安価です。特に未晒クラフト紙には1色刷りが適しています。
4.持ち手の種類を変更:アクリル紐 → PPひも → 紙ひも → 手穴の順で安価です。
5.ロット数を増やす:1000枚以上の大ロットで発注することで、単価は劇的に下がります。リピートを前提に、一度に多く作る方がトータルコストは低くなります。
失敗しないための「サイズとマチ」の黄金比
紙袋のサイズは、幅(W)、高さ(H)、マチ(D)で決定します。
・マチ(D)の重要性:商品が倒れないよう、マチは商品が入る最大幅の半分程度を確保することが基本です。特にケーキの箱やテイクアウトなど、底の安定性が必要な場合は広いマチが必須です。
・黄金比:一般的に、紙袋の高さは幅の1.2〜1.5倍程度が視覚的にバランスが取れ、美しく見えるとされます。
・既製品の活用:細かいサイズにこだわりがない場合、業者が用意している規格サイズを選ぶことで、コストを抑え、納期を短縮できます。
まとめ:素材の知識を武器に、ブランド価値を高めるショッパーを
オリジナル紙袋(ショッパー)の制作において、素材・材質の選択は、ブランドのメッセージを正確に伝え、顧客体験を向上させるための最重要ポイントです。
この記事で得た紙袋素材の知識を武器に、コスト、耐久性、ブランドイメージの全てを両立させるオリジナルショッパーの制作を実現してください。最適な紙袋は、貴社の事業拡大を後押しする、最高の広告塔となるでしょう。